【BGG THE HOTNESS】Corrosion
BoardGameGeek The Hotness 第1位(2021/8/17)
Corrosionの個人的まとめ。
8月13日にプレオーダーがはじまった。
基本情報
- プレイ人数:1〜4人
- プレイ時間:60〜120分
- 対象年齢 :12歳以上
デザイナーはステファン・バウワー(Stefan Bauer)。本作がデビュー作である。
アートワークは、デニス・ロハウゼン(Dennis Lohausen)。テラミスティカ、オーディンの祝祭、マルコポーロの旅路、クアックサルバーなどなどヒットメーカーである。
パブリッシャーは、2020年創業のディープ・プリント・ゲームズ(Deep Print Games)。過去作にリネイチャーやジューシーフルーツなど。アメリカではキャプストーン・ゲームズ(Capstone Games)が、ヨーロッパではペガサス・シュピーレ(Pegasus Spiele)が共同出版する。
ゲーム概要
ゲームタイトルのcorrosionは腐食(さび)を意味する。
プレイヤーは工場の経営者となり、エンジニアを配置し、機械を制作するエンジンビルドゲーム。メインの動力源はボイラーが生む蒸気であり、機械やギアはすぐに錆びてしまう。そこで、新しい機械を作ったり、サビに強い機械を開発したりしなければならない。
リソースは歯車コマのギアと水滴コマの蒸気である。
ルール読み
注意:筆者は未プレイであり、以下は公開されているルールから得た情報の整理と推測であるため、実際のプレイ感とは異なる可能性があります。
各プレイヤーが所持する工場を表すファクトリーボードは、ボードの4辺が腐食ホイールによって1~3及びXの4つの区画に区切られている。ホイールを回転させることで、各区画は区画3→区画2→区画1→区画X→区画3→…と順次遷移する。
この腐食ホイールの回転ギミックによって生じる時間の概念が本ゲームの最大の特徴であると思われる。
回転による時間の表現は、ルチアーニによるツォルキンとバラージを思い出すが、ツォルキンはキャストタイム、バラージはリキャストタイムであるのに対し、本作は様々な時間の要素が混在する。
プレイヤーが行う行動は二種類。①エンジニアカードをプレイするか、②腐食ホイールを90度回転させるか。
エンジニアカードをプレイする際、カードに書かれたアクションを即時実行する。エンジニアのカードには1~3と4、4+の番号が書かれており、この番号によってファクトリーボードのどこの区画にエンジニアを配置するかが決まる(1~3のエンジニアカードはそれぞれ区画1~3に配置。4、4+のエンジニアカードは区画Xに配置。)。エンジニアカードは、そのカードのある区画がX区画となったターンに手札に回収される。つまり、エンジニアカードの数字はリキャストタイム(カード回収に必要な腐食ホイールの回転数。4、4+は4回)を示している。
ファクトリーボードには、機械を設置することができる。その場所は、設置時の区画3である。腐食ホイールが回転する度に実行されるターニングマシンと、機械が設置された場所が区画Xとなった時に実行されるワンショットマシンがある。いずれも設置場所が区画Xとなったターンに廃棄される。すなわち、ターニングマシンにとっては3回転が効果時間であり、ワンショットマシンは使い切りのもので、3回転がキャストタイムということになる。
またリソースの1つであるギアも獲得時の区画3に設置され、設置場所が区画Xとなったターンに破棄される。すなわち、ギアにとっては、3回転が消費期限ということになる。
各タイムラインのアクションのタイミングを最適化するパズルということになろうか。ルールを読んだ第一感としては、ギアの消費期限が早まるという懸念はあるものの、腐食ホイールはガンガン回して良いのではという気がしている。
なお、機械やギアには、腐食とは無関係に存続するクロームマシン及びクロームギアが用意されている。クロームマシンは勝利点を稼ぐ方法の一つでもあり、クロームマシンを増やしていくことがゲームの目標の1つである。
インタラクションは、エンジンビルドのパーツとなる各種マシン及びエンジニアカード並びに得点源の1つであるアワードが早取りであり、また他のプレイヤーがプレイしたエンジニアカードの能力はコピーすることもできるという要素もあるが、基本的には各自のエンジン構築パズルに集中すれば良いのではないかと思われる。